目次
Dartsとは?
D=Dragapult
A=Arcanine
R=Rotom-Wash
T=Togekiss
=Darts
構築経緯
先月のランクマッチS2での全く同じ並びで上位TOP10にランクインしている方が2人いたことを知ったので,今月末に開催されるINCに向けて、今現在環境TOPである最新型の+への理解度を深める目的でS3が始まってすぐにこの構築の分析を始めました。
この構築のコンセプトをざっくり説明すると
まだ当時そこまで数の多くなかったDMAX 命の珠ウォッシュロトムをピントレンズトゲキッス のこの指とまれやサイドチェンジでサポートしたり、ダイアーク+マジカルシャインで相手をゴリゴリ削り、序盤で稼いだアドバンテージを生かして
終盤、後発に控えている拘り鉢巻ドラパルトと黒帯ローブシン の単体性能の高さと先制技で詰めていく
という感じの所謂先攻ダイマ逃げ切り型の構築です。
上記を理解したうえでこの構築を回していて感じたことを、書いていこうと思います。
この構築を回していて感じたこと
良い面
-
の水電悪の技の通りがいい
- ダイアークのD↓が強い
-
のマジカルシャイン急所が強い
-
の初手で大体の構築を相手取れる
-
&がDMAX無し同士の殴り合いにおいて強すぎる
- 全ポケモンの単体性能がトップクラスに高く、柔軟な選出をする事が出来る
- のしんそくが地味に強い
-
気合の襷が砂だけじゃなくストッパーとしての役割もこなせる
について・・・
現環境はこれらのポケモンの採用率がとても高く、これらのポケモンに対してのメインウエポンである水電技の通りが非常に良くなっています。また悪技もタイプ的に通りがいいことに加えにも弱点を付く事が出来ます。
また、DMAX技の追加効果もかみ合っていて、ダイストリームの天候書き換えや次ターンからの火力上昇、ダイアークのD↓は隣のとのシナジーの他に天敵ともいえるに打点を取りつつそのままゴリ押しも狙えるようになります。
&について・・・
裏に置いた時の詰め性能の高さが異次元です。超火力で放たれる先制技も勿論ですが、等倍なら大体の攻撃を一発は耐えられるちょうどいい耐久も持ち合わせているので、2匹のメインウエポンであるドラゴンアローやドレインパンチを打てる機会も多く、終盤のダメージレースで負けることがほぼほぼありません。
のしんそくについて・・・
この技は主に気合の襷でHPが1になった相手のポケモンを刈り取るのに非常に役に立ちます。今作で気合の襷 を所持している可能性が高いのは()これらのポケモンであり、1ターン動くだけで戦況を変えることのできるスペックを持ったポケモンばかりです。そして、これらのポケモンを上から縛ることができる(は例外)しんそくという技は強いと使っていて感じました。
の初手で大体の構築を相手取れる・・・
これが、この構築の最も強い部分であり、僕が今回のインターネット予選でこの構築を使用するに至った経緯のほぼ全てといっても過言ではありません。
(この構築に勝つためにはどうすればいいか分析するつもりが、自分が使うことになってしまったのは少し引っ掛かりますが...)
この構築を使ってみればわかるのですが、初手+後発@2という基本選出が強く、も合わせると環境に多い、、、の全てに対応することができます。
基本選出で対応できる範囲が広いということは、高い勝率を3日間45戦という長い期間維持しなければいけないINCにおいて、メタ対象外の構築が来た時でも選出を歪ませられることなく、なんとか対応する事ができるのではないかと考えました。
上記に加え、どっしりと構えられる勝ちパターンがあると2romで合計90戦戦っていく中で少しでも考える量を減らし、無駄な疲労を減らすこともできます。
本来、僕は環境TOPを好んで使う人間ではないのですが(真っ先にメタの対象にもなってしまいますし)今回はそのメタすらも乗り越えていけるんじゃないか?という構築のスペックの高さを使っていて感じたので、環境の中心である()を持ち込むことにしました。
というわけで僕がINCに持っていく構築の軸となる部分が決まった訳なんですけれども、いくらの初手が強力だといってもしんどい構築は多少なりともあり、この構築をそのまま持ち込んでも勝ち抜くことはまず無理だと感じたので、この構築を回していて改善すべき点を書いていこうと思います。
悪い面
-
が出落ちすると一気に苦しくなる
- サイドチェンジを読まれるとしんどい
- ミラーがきつい
-
がきつい
-
アタッカー 等の高火力フェアリーがきつい
-
+への立ち回りが安定しない
- DMAXがきつい
- サイドチェンジが諸説
- そもそも初手DMAXがそんなに強くないんじゃないか説が僕の中で浮上
この構築のの生存の重要性について・・・
少し上でも書いていますが、なんとこの構築、でサポートをしていくはずなのに初手で出落ちしてしまうとめちゃめちゃきつくなってしまうんです。
それはなぜかというと、初手で入った場合、後発がほとんどのうち2匹から選出します。初手でが1パンされるとまだ相手が裏の技圏内に入っていないのに2ターン目に早くもスイーパーが盤面に出できてしまい、相手を倒せず返り討ちにされ数的有利を取られて、のDMAXターンを枯らされて負けるみたいな展開にほとんどの場合なってしまいます。
が生存するためにはこの構築のコンセプトであるサイドチェンジを使えばいいのですが相手にはそれが通じず現状とてもつらい状況です。
サイドチェンジについて・・・
説明するまでもないと思いますが、この技は味方2匹の場所を入れ替えて実質相手の技の標的を変える技です。
かなりの対戦数回してみて、成功すればアドが取れるがのサイドチェンジが周知されてきた今では読まれやすく安定しないというのが僕の率直な感想でした。
一応もサイドチェンジを持っていますがそちらは終盤でDMAXが切れてやることがない場合に打つ程度でわるだくみ入れて全抜きか途中で倒れるかの方が100倍は実用的なレベルで使いませんでした。
そして、ここからが重要なところです。なんとのサイドチェンジ、隣ではなく自分を生存させたい場面でしか打っていないことが発覚しました。
この構築がの生存を切に願っていることから100歩譲って許しましょう。
だがちょっと待てと・・・
じゃあまもるでええやん()
ということで、のサイドチェンジをわるだくみとまもるにそれぞれ変更しました。
構築からサイドチェンジが消えたことによりサイドチェンジありきのピーキーなプレイングをする必要がなくなって安定した立ち回りが可能になりが出落ちする危険性については対策することが出来ました。
への対策・・・
このきつい5体を眺めていてが構築の足を引っ張っているなと感じました。
がきつい要因として基本選出の+だと相手へ有効打がないのと対照に味方にフェアリー技が一貫していることが挙げられます。
は数値でのゴリ押しが出来なくもないですがは格闘を半減以下で受けられてしまうことに加え、Sも負けてしまっているので成す術なく倒されてしまいます。
はが1パンチされてしまうことやからしか有効な打点がないことが挙げられます。
はこちらのがどちらも大ダメージを負ってしまう点、命の珠持ちで僕の構築のと同じような動きをしてくる個体も一定数存在する点が挙げられます。
これらをすべて見ることができるポケモンを探しているとが候補に上がりました。
実はの採用はこの構築を回し始めた段階から考えていたのですが、の対や性能を評価して保留にしていました。
後に一緒に考察している友人から聞いて初めて気がついたのですが、実は上記の4体...で十分に対処できてしまいと役割がかぶっていたのです。(言われて初めて気付いた)
これでを採用する意味が薄くなってしまったので残念ながらここでさようならということで最後の1枠にが入ってきました。
※2/8に東京で行われたてんのめぐみオフでの6体かぶりの構築でTOP16に入られた方が3人いらっしゃったのでこの変更は”間違いではなかった”と思います。
ここでが基本選出に加入したことによりデバフを撒きつつ相手のDMAXを枯らして終盤に自分だけDMAXで畳み掛けていく初手にDMAXをしなくてもいい立ち回りが現実味を帯びてきます。
そして、先攻ダイマ逃げ切り型の側面も残しつつでのわるだくみをサポートしDMAXで全抜きしていく新たな太い勝ち筋の開発に成功しました。
+とミラーへの対策・・・
対には従来の入りだとイトケの実をラムの実に変更してのいわなだれでの対策を試みていました。
しかし、トリックルームを張られた後、に裏のDMAXを合わせられてしまうとこちら側の圧力が弱すぎてほぼ負け確になってしまうのでのわるだくみでの崩しを目指しました。
がわるだくみを積むうえで障害となってくるのがのねむりごなです。
トゲキッスでこの指をしても次のターンがを抜けていなかったり気合の襷だったりで結局眠らされてしまう未来が見え見えだった中思いついたのがのしんぴの守りです。
これにより、が安心してわるだくみを積んで全抜き態勢に入れたり、初手にが出てきたとしてもの威嚇鬼火でケアが効いているという具合の完璧な回答を見つけてしまいました。
最後にミラーの回答ですがこちらは簡潔に言うとを特性すなかき→かたやぶりに変更することで対策をしました。
ここだけは少し難しいので後述する選出で詳しく書きたいと思います。
お待たせしました。個体解説に行きましょう。
個体解説
ウォッシュロトム
H188 C172 S148
149-x-127-161-127-125
配分
H・・・命の珠ダメージ最大効率(10n-1)の中でHP実数値最大
C・・・あまり
S・・・同速回避&最速+1(あくまで指標として)
エースアタッカー。耐性が優秀なのでダイマックスととても相性がよく強かったです。
Cは指標となる敵が見つからなかったので先にSを決めてそのあまりとしました。
Sはミラー時に勝ってると強いと調整の段階で思ったので限界まで引き上げました。
一度だけじーんさんの構築と調整全く同じっぽいを上から1パンして勝ちを拾いました。
技構成は構築経緯で全て話したのでここで特筆すべき点はありません。
選出率3位 ダイマックス率1位
トゲキッス
H244 B196 S68
191-63-154-140-135-109
配分
H・・・天候ダメージ最大効率(16n-1)
B・・・11n
S・・・あまり
サポート兼ダメージ蓄積枠。
主にこの指とまれでのサポートやマジカルシャインでの削り、神速でHP1のポケモンの処理を担当します。
性質上ヘイトを集めやすいポケモンなのでそこに守るが刺さりました。守らせつつ隣を切って裏を死に出しからサポートというような立ち回りも単純に強かったです。
持ち物は相手の型の判断ミスを少しでも誘えるようにではなく鋭い爪を持たせました。や対策にヨロギの実で使っていた時期もありましたが50%急所で稼ぐダメージがデカすぎたので最終的にに戻しました。
ごく稀に試合中のアドリブでダイマックスさせることもありました。
配分は物理をこの指とまれで吸うことのほうが多い為HBベース。
余談ですが穏やかD196振りにするとDMAXのダイアイスを霰ダメ込みで耐えます。
選出率1位 ダイマックス率5位
ウインディ
H204 D84 S220
191-x-100-120-111-157
配分
H・・・天候ダメージ最大効率(16n-1)
HD・・・C172のダイドラグーン確定耐え(160~189)
S・・・最速抜き
構築のクッション兼潤滑油。相手のダイマックスターンを枯らす立ち回りの肝となるポケモンです。高い素早さから打てる鬼火&バークアウトが強く、サイクルを回せたりのわるだくみの起点を作れたりします。
技構成について書きたいことが多いので分けて書かせていただきます。
INC直前までは もえつきる・バークアウト・しんぴの守り・鬼火 で回していましたが、もえつきるの連打できない点から来るへの立ち回りの窮屈感や終盤の二匹でを処理しに行く際に既に打ってしまっていると最悪打ち負けてしまうもえつきるへの違和感を拭えず、急遽火炎放射に変更しました。
熱風でも良かったかも知れないですが、急な変更で考察が不足していたところは反省です。
サブでは鬼火を守るにして対戦してました。理由はデバフを撒きまくる性質上早く処理したいという相手の心境からと同様にヘイトを集めやすいのでそこに守るが刺さる、単純に守るが欲しい場面が多い、が増え特殊を防ぐ性能がもっと求められるようになった、根性が増えて鬼火が腐りやすくなった。この4つです。
守る採用は正解でしたが、逆にINC環境にが全くいないこと、がさらに増えたことからしんぴのまもりが腐ったのでメインでは鬼火を再投入しました。
結果的には、火炎放射・バークアウト・@2 でずっとくるくるしてました。
選出率2位 ダイマックス率6位
ドラパルト
H60 A236 B28 D4 S180
171-187-99-x-96-185
配分
A・・・11n
HB・・・A211鉄の拳の冷凍パンチ最高乱数以外耐え(146~172)
A187の分散ドラゴンアロー最高乱数以外耐え(143~172)
A187の不意打ち11/16で耐え(152~180)
HD・・・C172の悪の波動確定耐え(143~169)
S・・・最速抜き
スイーパー。ドラゴンアローが強く最後まで型を変えずに使い続けました。
この構築で唯一具体的な耐久調整を施した型でミラーを意識した配分となっています。
メインウエポン+不意打ちは確定で残り一枠はダイジェットが普通に強力なのと対雨構築に強くなれるようにそらをとぶを採用しました。
選出率4位 ダイマックス率4位
ドリュウズ
A252 B4 S252
185-187-81-x-85-154
配分
ASぶっぱBあまり
ストッパー。特性を砂かきからかたやぶりに変更することで対性能がありえないほど向上しました。この構築唯一の目に見えるアレンジです。
ダイマックスしたのは対くらいでほとんどが非ダイマックスでの運用でした。
特性の変更はするかとても悩みましたが、このポケモンに求めているのは対のの処理とでのストッパーとしての役割で特別すなかきである必要性がなかったので変更しました。
決して砂かきが弱いわけではありません。僕のプレイングと構築にかたやぶりがあっていただけです(強者感)。
ただつるぎのまいを地震にしなかったのは完全な僕のミスで、ミラーでかつ相手もかたやぶりだとぐちゃぐちゃにされました。
技についてこれ以外は特筆すべき点はありません。
選出率5位 ダイマックス率3位
バンギラス
H204 A204 B4 D4 S92
201-198-131-x-121-93
配分
H・・・あまり
A・・・11n
S・・・同速回避
BD・・・端数
対、、枠。持ち物は最初は等で回していましたがどうもしっくり来ず単体として一番強い弱点保険を持たせました。
ダイマックスすることで格闘タイプ以外とほぼ打ち合えて何出すか困ったときに選出しました。
ミラーで上から叩くためにSにかなり振っています。
無難に強かったです。技について特筆すべき点はありません。
選出率6位 ダイマックス率2位
選出
基本選出①(ロトムの通りがいい場合)
前裏
トゲキッスのこのゆびとまれでロトムのわるだくみや攻撃をサポートします。
トゲキッスが倒れたらウインディでさらにDMAXをサポートし場を荒らしたのちで詰めます。
基本選出②(相手のDMAXを枯らしてから攻める場合)
前裏+or
選出段階で相手のDMAX考えなければロトム通ってると感じた時にこういった選出をします。
初手でロトムが通る盤面であればそのままDMAX、相手がDMAXを切って対抗してくるようであれば裏に下げて守るやウインディを駆使し相手のDMAXを枯らしたのちロトムを降臨させて押し切ります。
VS
前裏@1
比較的有利マッチ。
基本選出。
VS系統
前裏
有利マッチ。
初手でトゲキッス守る+ロトムにDMAXを切ってインテレオンを倒しにいくのが最安定ですが裏にカットロトムがいる場合は引いてくる可能性があるので慎重にDMAX権を扱います。裏にバンギラスとウインディおいてれば大体何とかなります。
vs
前裏
比較的有利マッチ
リザードンが来ればバンギラスDMAX、ジュラルドンが来ればドリュウズDMAX。
vs
前裏
初手でジュラルドンと対面したらドリュウズにDMAXしながらロトムをトゲキッスに下げてダイドラグーンを受けに行きます。その後相手のDMAXターンを枯らしてサイクルを回しながらどこかでロトムでわるだくみを積める対面を作り、相手のバークアウトを貫通して詰めていきます。
エルフーン+ロトムで入られたらロトムにDMAXを切ってダイサンダーと10万馬力をロトム方向に集中します。
数的有利を取られるとサイクルが回せなくなり崩壊するので常に数的有利を取られないように立ち回ります。
vs
前裏
超不利マッチ。
1ターン目ウインディのバークアウトでトゲキッスの火力を削ぎながらロトムわるだくみします。
2ターン目トゲキッスに引きながらロトムDMAXさせて相手のトゲキッス倒します
3この指とまれで相手の攻撃を吸いながらロトムで相手のトリルアタッカー1匹倒します。
この流れでしか勝てません。
にじならし入れればよかった...泣
INC終えてみて
今回は最終1742でボーダー付近にすら届かず自分の実力のなさを再認識しました。
構築にも不満はなくこれと似たような構築で抜けている方もいるので言い訳しようにもできませんね...w
最終日の22時くらいからメイン動かしましたがやはり深夜に勝ちきれず連勝はするものの一度負けると失速したり、プレイングが粗末になり意味の分からない負けが増えてしまったので、次のINCまでに長時間対戦しても集中を切らさない練習や負けた後にずるずるといかず踏みとどまる練習を重点的にしていこうと思います。
主要なアーキタイプへの立ち回りは毎日かなり煮詰めて練習してきましたが、上位層に多かったが増えることを察知できず立ちまわりが安定していないのが間違いなく今回の敗因です。
環境読みミスったというよりかは立ち回りばかりに目が行って直前の環境の考察不足でした。
最初にも書いた通りメタをはねのけるスペックは十分にありましたが順当にきついトリルニンフィアに轢かれました。
レンタルチーム
Special thanks
coffea・・・個体くれたりシミュとか調整とか一緒にしてくれてありがとう。
最後に
次回のINCはラプラスやらガオガエンやらで環境ガラリと変わりそうなので供養という形で投稿させていただきました。
お気に入りの構築だったので結果残せなかったことだけめちゃくやしいけど順当に負けたって感じだったのでそこまで萎えてないです。
次は勝つ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
質問等あれば@CandyVGCまでどうぞ。